④家紋
「源氏車」「下がり藤」紋を愛用する。
源氏車は「源氏物語絵巻」によく登場する貴族の乗り物牛車の車輪にちなんだものですが、佐藤家の場合は源義経の家来だったことを忘れないよう、「源氏車」という名称のこの家紋を愛用しているともいわれています。
下がり藤はまさにそのルーツ藤原氏の代表家紋です。
⑤苗字調査の具体例①『姓氏家系大辞典』
まずは日本の代表的な苗字辞典『姓氏家系大辞典』(太田亮著、角川書店)の佐藤の項目を見てみましょう。
『姓氏家系大辞典』は系譜学を提唱した立命館大学教授・太田亮(あきら)(1884-1956)が一生を捧げて完成させた労作で、苗字・家系研究の根本資料とされています。
第一巻の巻頭に神代御系図・皇室御系図を掲げ、次いで約5万種類の姓氏の解説を旧かなづかいの五十音で収録しています。
とっつきにくくなかなか頭に入ってきません。
『姓氏家系大辞典』のすべてが理解できなくともまずは問題ありません。
まず、冒頭で「藤原秀郷の後胤・公清より…」とあり、続いて項目1に「秀郷流藤原姓 尊卑文脈に…」と、あります。
「『後胤』ってなんだ?なんて読むんだ。多分子孫っぽいな」
などは、ググってみましょう。
読みは「こういん」、意味は文脈と言葉の印象通り子孫です。後裔(こうえい)といういい方もするようですね。
ここからは
「佐藤姓は藤原氏をルーツにしているんだな。そういえば秀郷って聞いたことあるな」
「その元となった文献が『尊卑文脈』…。ググったら「日本の初期の系図集」。要は古い系図の本なんだな」
くらいに思ってくだされば結構です。
また、佐藤の項目には実に58もの佐藤姓のルーツが記載されています。
備後の佐藤氏、安芸の佐藤氏、土佐の佐藤氏、薩摩の佐藤氏…。
ここからは、
「44の備後とかは、『びご』か『びんご』よくわからんが地名だろう。48の土佐って高知かな?」
「さすが日本NO1の佐藤姓。全国に広がってるんだな」
くらいに思っておきましょう。
もうちょっと深く調べたい場合は、例えばあなたが広島県の人であれば、
44、備後の佐藤氏 桑田氏の家士に佐藤氏あり。
まずはこの項目に注目しましょう。
ググってみると、「備後」は広島県の東半分、「家士」とはやっぱり家臣の事。
ってことは、備後(広島県)の桑田氏の家臣に佐藤さんがいたってことだ!
じゃぁ、桑田氏って誰だ???
ここで問題です。
Q、備後(広島県)の桑田氏をどやって調べる???
A、ググる(‘ω’)ノ
ほぼ正解です!
ですが、真の正解は~
日本の代表的な苗字辞典『姓氏家系大辞典』(太田亮著、角川書店)
日本の代表的な苗字辞典『姓氏家系大辞典』(太田亮著、角川書店)
日本の代表的な苗字辞典『姓氏家系大辞典』(太田亮著、角川書店)
大事なことなので3回言いました。
さっそく桑田の項目を
クワウジン(荒神さん、クワウジョウ(光乗)さん…クワザンイン(花山院)さん。
「『姓氏家系大辞典』は旧漢字・旧かなづかいなんだ…なれないと読みずらいな」と、思われると思います。
そして次のページ
クワザンイン(花山院)さんの次はクワハラ(久和原)さん…。
桑田さんがない???
サザンの桑田佳祐さんに、元巨人の桑田真澄さん…日本の代表的な苗字辞典から漏れるほど珍しい苗字ではないはずです。
Q、なぜ『姓氏家系大辞典』に桑田さんがいない???
ヒント、『姓氏家系大辞典』は旧漢字・旧かなづかい
ってことは…
はい!ありました!
桑田 クハタ 丹波国桑田郡は和名抄に久波太と註す。
「丹波国(たんばのくに)」は京都。
「和名抄」は聞きなれないと思いますが『姓氏家系大辞典』に散見されます。
ググりましょう。
和名抄とは和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)の略で平安中期の漢和辞書。
「註す」も見慣れません…「ちゅうす」書きつけるしるすの意。
ここでは
「要は昔の漢和辞典に京都の桑田郡の事を久波太と書いてあったってことか」くらいに思っていればOkです。
『姓氏家系大辞典』をざっと流し読みすると、まずはその苗字と同名の著名な地名の解説から始まってる項目が多いです。
なんでしょう???(2位高橋姓で解説予定)
それでは、目的の「備後(広島県)の桑田氏」を探しましょう。
4の項目にありました!
4 大友氏流 備前国の豪族にして福山志料に…又、備後の古城記に…家士に桑田、…
これですね!
広島県の佐藤氏が仕えた桑田氏はこの人だったようです!!!
では次は…
大友氏流???→『姓氏家系大辞典』の大友氏の項目
福山志料???広島県福山市の資料かな????→ググる
備後の古城記???→ググる
そういえば「豪族」って言葉も知ってるようでよくわからないな???→ググる
やることはいっぱいあります^^;
深い知識がないと行き詰ることもあるかもしれませんが、少しずつ進めていきましょう。