【Yahoo&幻冬舎〔連載〕】第一回 人知れず廃棄される!? 手遅れになる前に知るべき「戸籍」事情【家系図お役立ち情報】

この記事は家系図作成代行センター(株)発行の小冊子「家系図作成を始める前に知っておきたい7つくらいのポイント」が幻冬舎Gold Onlineに連載され、同内容がYahooに転載されたものです。

[連載]「家系図」作成する前に知っておきたい7つのポイント

【第1回】 人知れず廃棄される!? 手遅れになる前に知るべき「戸籍」事情 2019/07/07

自分を取り巻く親類縁者との関係が明確になることから、「家系図」への注目が高まっています。きっかけがなければ難しい作業であるかもしれませんが、やり方次第では、江戸時代の先祖まで遡ることも可能なのです。本記事では、家系図作成代行センター株式会社代表の渡辺宗貴氏が、家系図作成の前に知っておくべき「戸籍」事情を解説します。

「戸籍の廃棄」に通知義務はない

本連載では、「家系図作成を始めるために知っておきたい7つのポイント」というテーマを掲げましたが、本当は「家系図作成を始めるかどうかを決めるために知っておいていただきたい、たった1つのポイント」というタイトルにしようかと考えていました。まず筆者が伝えたいのは、1点だけ。「戸籍には保管期限があり家系図は今しか作れません」ということなのです。そこで家系図作成のポイントの説明に入る前に、「家系図を作成するなら今だけ」という話をしていきます。

みなさんの戸籍は現在の本籍地(たいていは現在の居住地)の役所に保管されています。先祖の戸籍も、昔、先祖が住んでいた地の役所に人知れず保管されているのです。古い戸籍には江戸末期~明治初期を生きた先祖の「名前」「住んだ村(本籍地)」「生まれた年」「亡くなった年」のほか、「相続」「分家」「養子」「婚姻」など、様々な情報が載っています。

戸籍ひとつで先祖の様々なことがわかる

家系図作りはきっかけがなければ一生やらないかもしれません。必ずしも必要なものではないので、一生、家系図を作らない方も多いでしょう。無理におすすめするものではないので、それはそれで構わないと思います。

しかし、古い戸籍には保管期限があり、そう遠くない未来に破棄されます。2010年に戸籍法が改正され保管期限が延長されましたが、やはりいずれは破棄されます。全国のどこかの役所に保管されている先祖の戸籍は、子孫が探しに来なければ、この先永遠に誰の目にも触れることなく、破棄されてしまいます。

戸籍の破棄に通知義務はありません。保管期限を迎えた当日や役所の年度末、あるいは市町村合併のタイミングで、誰に通知されることもなく、役所や法務局の冷たい倉庫に運び込まれ封印されます。都心部の役所では倉庫に保管されるのではなく、本当に破棄処分されています。一度封印された先祖の戸籍は、二度と取得することができないのです。

全国の役所や法務局のなかには、保管期限の切れた戸籍が破棄されずに保管されているところがあります。しかし子孫だという方が、どんなに窓口で戸籍を出してもらうよう頼んでも、期限の切れた戸籍を出してもらえた例はありません。役所や法務局の方も、戸籍法にもとづいて対応するしかないのでやむをえないことですが・・・。

家系図作成は「年配男性」に人気のイメージがあるが…

筆者にはまだ小さい子どもがいます。当然今は家系図に興味なんてないですが、いつか中学生になり高校生になり大人になって、オジちゃん、オバちゃんになって、おじいちゃん、おばあちゃんになって・・・何かのきっかけで「家系図をつくってみようかな?」と、思った時には、今なら取得できる先祖の古い戸籍は、間違いなく破棄されて入手できなくなっています。

今ならまだ先祖の戸籍が残っていることのほうが多いです。今残っている戸籍は、子孫であれば取得することができます(※)。
※行政書士は代理人として戸籍を取得できるだけです。

1人の方が取得できる先祖の戸籍の数は、人により差異はありますが、30~50通前後になり、多い人では50通を超えます。さらに夫婦2人分の戸籍であればさらに1.5~2倍近くになります。30~50通前後の戸籍を取得するのは大変な手間暇がかかりますが、自身で取得することができます。お金はかかりますが、家系図作成業者に頼むこともできます。方法は何でもいいのです。もしほんの少しでも家系図作成や先祖に関心があるのなら、今残っている戸籍は1日も早く取っておいてください。